ドイツ南部のバイエルン州に位置する、ローテンブルク・オブ・デア・タウバー。
ロマンチック街道沿いにあるこの町は、日本人観光客も多く訪れる大人気の観光地です。
街の周りをぐるりと囲む城壁と中世を感じさせる町並み。
メルヘンチックでカラフルなお家は、まるで絵本の世界…
いや、リアルRPGの世界に迷い込んだかのような錯覚を覚えます。
今回はそんな「ローテンブルク」の観光スポットと、初夏に行われる「Meistertrunk マイスタートゥルンク」のお祭りの様子をまとめました。
ローテンブルク観光のおすすめスポット
ローテンブルクは町全体が本当に可愛い♪
どこに行っても見どころたっぷりです!
その中でも、ここは立ち寄っておいて損はない!…というおすすめの観光スポットをご紹介します。
プレーンライン Plönlein
地球の歩き方やドイツ旅行の観光ブックなど。
ローテンブルクの紹介で必ず言っていいほど使われるこの写真。
現地でも多くの観光客がパシャパシャ写真を撮っていましたが…
でも、ココがプレーンラインという名前だなんて、行くまでは知りませんでした。(笑)
プレーンラインはラテン語で「小さな場所」という意味だそう。
写真には写っていませんが、この右側のオレンジ色の家は、実は二股に分かれた坂道の真ん中に建っています。
どちらの道も街への重要な路なのですが、その真ん中にできた「小さな場所」なので「プレーンライン」と名付けられたんだとか。
私はそんな事前情報ゼロだったので、こんな感じでお家だけ撮っちゃったんですけどね。(笑)

城壁
『進撃の巨人みたいやん!』と思わずテンションが上がるのがローテンブルクの象徴ともいえる、街をぐるりと囲む外壁です。
街を取り囲む要塞のようなこの城壁は、外から眺めるだけではなく上って歩く事も出来ます。
街を守るための城壁には、ところどころに大砲を設置できる窓も。
ここからのは街の外が見渡せ、新緑の季節は萌えるような一面の緑が見渡せます。
また、城壁を歩いていると、ふと目に入るのがこんな名前。
ところどころ日本語も見られるんです。

なんて思ってたのですが、実はこれ。
城壁の維持に寄付をした人たちの名前が刻まれているんだとか。
第二次世界大戦の終わり。
1945年3月31日にローテンブルクは街の40%を爆弾攻撃によって破壊され、街の壁も深刻な影響を受けました。
その後街の再建の為に、世界中から寄付金が集められたのですが…
一定以上の寄付金をした人の名前が、こうして内壁に刻まれているんだそうです。
市庁舎 マルクト広場 Marktplatz
旧市街の中心にあるマルクト広場と市庁舎。
こちらには高さ40メートルの塔があり、上まで登ることもできます。
私が行った時は、なんと結婚式が開かれてました!
美男美女のお二人で、ニコニコ幸せそうなのが印象的でした♪
大勢の観光客に祝福されてのこんな素敵な街での結婚式…。
間違いなく一生の思い出になるなぁと思いつつ
自分には絶対に無理だなぁ(むしろ罰ゲーム)と、しみじみ思いながらシャッターを切りましたW
また、市庁舎に向かって右側の建物にあるのが、マイスタートルンクの伝説の仕掛け時計です。
ここでは、からくり時計を通して17世紀に起きた30年戦争の時に街を救った、伝説的な逸話をみる事ができます。
11:00~15:00。
20:00~22:00になるとパカッと窓が開いて動き出すので、タイミングを見計らって見学してみてくださいね♪
1年中クリスマス!ケーテ・ウォルファルトショップが可愛すぎる♪
マルクトプラッツの近くにはレストランやお土産物屋さんが並んでいます。
その中でもぜひ足を運んでおきたいのが、ローテンブルクで有名なクリスマスショップ、Käthe Wohlfahrt(ケーテ ウォルファルト)。
お店の前には、おもちゃの兵隊さんみたいな大きな人形が立っていて、赤いバスが止まっています。
(私が行った時はバスは止まっていませんでした。お祭りの時期だったのでどかされてたのかな?)
1年中、春でも夏でもクリスマスなこのお店では、キラキラと輝くオーナメントやキャンドル。
くるみ割り人形にクリスマスのテーブルを彩るアイテムが並んでいます。
店内に入ると…その広さにとにかくびっくり!
ハイデルベルクの大学広場にもお店がありましたが、あちらはココの支店だそう。
やっぱり本店(ローテンブルク)の方が断然広いです!
また、2Fにはお金を払って入る事ができる「ドイツ・クリスマスミュージアム」も。
Eintritt (入場料)は大人4ユーロだったかな?(私は入ってないので曖昧w)
1階部分だけでも十分楽しめちゃいますが、せっかくだし…という方はぜひ!です。
シュネーバレン(Schneeballen)片手に食べ歩き観光♪
また、マルクトプラッツの周辺には、ローテンブルク名物のシュネーバレン(Schneeballen)のお店もいっぱい!
街中では、紙袋に入ったシュネーバルを食べながら観光している人をほんとによく見かけます。
シュネーバル(Schneeball)は「雪玉」という意味なのですが、その名の通り、雪のボールのような丸い形のお菓子。
細長い生地を丸めて油で揚げ、上から粉砂糖やチョコレートなどがトッピングされています。
かりんとうと揚げドーナツをMIXしたようなザクザクした食感です。
このシュネーバル。
伝統的なローテンブルクの特産品で、昔は結婚式のお祝いや教会への奉納などのために焼き上げられられていたんだとか。
ローテンブルクにはシュネーバルを売っているお店が本当にたくさんあるので、どのお店に入るか迷っちゃいますが、人気なのが「Bäckerei Striffler」というパン屋さん。
ローテンブルクで一番の老舗だそうで、結構にぎわっていました。
でも、このシュネーバル…。
中身がこんなにがっつりしてるので、かぶりついて食べるのは難しいんですよね(笑)
話を聞くと、シュネーバル用のハンマーがあり、叩き割って食べるんだそうです。
お店のおばちゃんに・・・
『紙袋の中でボールを手で押しつぶしてごらん!』と教えてもらいました!
思いっきり掌底をかますと、いい感じにボロボロになって食べやすかったっす♪

聖ヤコブ教会
市庁舎の広場からすぐ近くにある大きな教会。
入場料が2€ほどかかりますが、ローテンブルクに来たならぜひとも立ち寄っておきたい教会です。
14世紀から15世紀にかけて、建てられたゴシック様式の聖ヤコブ教会。
この教会の一番の見どころは、リーメンシュナイダーの「聖血祭壇」です。

教会の中の後ろの階段を上がって2階に登ると、パイプオルガンの裏側にあるのが聖血祭壇。
(何も知らずに帰ろうとしてたら、日本人観光客の方が教えてくれました!見逃さないようにご注意です!)
こちらは聖なるキリストの血を納めるために作られたもので、上の方に十字架の水晶があるのですが…。
なんとその中に、イエス=キリストが十字架に磔にされた時に流した血の3滴が収められているそうです。
正直、彫刻の素晴らしさとかは全然わからない私ですが、それでも素直に「・・・すごい」と感じる何かがそこにはありました。
ぜひ現地でその目で確かめてみてくださーい!
中世犯罪博物館
メルヘンな町並みになぜこんなものが…
と、『本当は恐ろしいグリム童話』を彷彿させる『中世犯罪博物館』。
入り口にはこんな大きな鳥かごがあるのですが・・・
(いいタイミングでほんとに鳥が止まってくれた(笑))
実はコレ、鳥ではなく人間用の檻・・・。
この中に罪人を閉じ込め、川に沈めて水責めをしていたんだそうです。
中世犯罪博物館には、こんな中世の拷問器具が一杯。
見たことはもちろん、想像したことすらないような道具が並んでいます。
(日本語のパンフレットや説明書きもありますし、見ただけでもなんとなく使われ方がわかります。)
ここ。人間の尊厳とか、なんだかいろいろと考えさせられる博物館でした。
人によっては気持ちが落ち込むこともあるかもな場所なので、繊細な方は避けた方が無難だと思います。
初夏にドイツに滞在するならマイスタートゥルンクのお祭りに合わせて行ってみて!
ローテンブルクは「マイスタートゥルンク」のお祭りも有名です。
実はドイツに行ったばかりの頃「マイスタートゥルンク」という言葉はもちろん、ローテンブルクも知らなかった私。
なんかワインの一気飲みのお祭りがあるんだって!
行かない?

マイスタートゥルンク Meistertrunk ってなに?
マイスタートゥルンクとは、ローテンブルクに伝わる伝説なのですが…
話は17世紀の三十年戦争の時代まで遡ります。
17世紀の三十年戦争でプロテスタント側についたローテンブルク市。
街をあげて奮闘したのですが、戦いむなしくカトリック軍に包囲され焼き払われる事になりました。
当時、カトリック軍を率いていたのがティリー将軍という人。
この将軍は、なんと町の破壊と指導者である市の参議員たちの処刑を宣告したのです。
そうして翌日の宴の席。
地元の名産のフランケンワインを飲んで気分の良くなったティリー将軍は、町娘が3.25ℓもの大きな容器になみなみとついで差し出したワインを見て言いました。
「もしもこの大杯のワインを一気に飲み干せる者がいたら、お前たちの罪を許す」。
そこで「私が…」と名乗りを上げたのがローテンブルクの市長であった「ヌッシュ」さんでした。
するとヌッシュさんは「カトリックもプロテスタントも神の前では皆兄弟。皆愛すべき神の心を持っている」と、見事にワインを飲み干します。
その姿に心を打たれたティリー将軍は街を焼き払う事をやめました。
こうして、3.25ℓものワインを飲み干したヌッシュさんによって、ローテンブルクの町は救われたそうなのですが・・・
この伝説を表しているのが、マルクトプラッツにあるからくり時計なんですね。

毎年初夏にはこのエピソードを再現する歴史祭が行われていて、多くの観光客が訪れるんです。
マイスタートゥルンクのお祭りってどんな感じ?
ちなみにこのマイスタートゥルンク。
キリスト教の聖霊君臨祭の日に行われるので、その年によって開催日は異なります。
マイスタートゥルンクのHPによると、2018年は 5月18日~5月21日だそうです。
check! https://www.meistertrunk.de/
お祭りでは、当時の野営中の様子なども忠実に再現。
あれ?今って21世紀だよね??
なんて、本当に中世の世界に迷い込んだかのような錯覚を起こします。
街中でも様々なイベントが行われ、町全体がいつも以上に中世モード!
たまたま行った日が、メインイベントの仮装パレードが開かれる日だったのですが、この日は街のあちこちで、中世の衣装に身を包んだ街の人たちを見かけました。
特設ステージでは中世の旅芸人の音楽演奏?っぽいイベントも!
Stand(屋台)で『Bratwurst(焼きソーセージ)』なども売られています。
ドイツ名物を片手に昼間っからドイツビールを飲む!
それが当たり前に許されちゃう空気感がたまりません♪
やっぱ好っきゃわー!ドイツ!!
この時期にドイツ南部にいる方は、ぜひマイスタートゥルンクへ♪ 楽しいっすよー♪
